わたしと先生。
第二話 元気ですね
「もうあの時はどっか行っちゃうからびっくりしたじゃん。」

「ごめんって、みくりちゃん。」

むうっと頬を膨らませるみくりちゃんに謝りながら、口の中にお菓子を突っ込む。
もぐもぐと食べるみくりちゃんは美味しい~と笑いながら、またひとつお菓子を口に含んだ。

「次生物だよな、先生誰だと思う?」

「お、時田。」

「時田くん。おはよ~。」

「おはよ~ってもう4限だけどな。」

今日は授業が始まって2日目。
大体の授業が初めは自己紹介で、あと残っているのは生物だけだった。

担任も、学年の先生にも、今までの教科でも。
あの先生の姿は見えなかった。

もしかしたら、教科担任でも被らないかもしれない……。
そしたら、本格的に先生のこと知れない……。

はあ、っとため息をつくと、。

「なに、ふゆそんなに生物嫌なの?」

「小鳥遊って生物苦手な感じ?」

「いや苦手でもなければ得意でもないんだけど。」

「いいじゃん、俺苦手だし。」

「私も苦手だわ~。」

みくりちゃんと時田君は苦い顔をする。
その姿を見て、私はへへっと笑った。

中学から同じのみくりちゃんと、席が近くて仲良くなった時田くん。
3人でいることが今は多い感じ。
でも、もう他のグループもでき始めてるから1年はこの感じで行くのかなあ。
居心地はいいほうだし、むしろいい感じ。
1年、楽しくなりそう。

もう、先生のことはあきらめようかな。
お礼が言いたかったけど、接点がないなら言いようもないし。
それに3年間あるし、機会があるときで。

そう完結させて、私は生物の準備を始めた。

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