キミに夢中な俺‼
とりあえず杏奈は学校と
バイトの往復だ…
とロンにはラインで送って安心させた。


しかし本当の事をどうやって
伝えるべきか?

    ストレートに言えば…
     あの性格…だし。 

ウ~ン!

カフェでなやんでいたら、
       「剛!! 」

      ヒ、ヒぇエエエェェ
後ろからロンが現れた。
剛のかけていた眼鏡もぶっ飛んだ。


慌ててスマホをかくそうとする前に
ロンに取られてしまった。



「ス、すまん。」
 俺は俯いて何も言えなかった。

ロンは、画面に写る杏奈をみて、
にやけていたが、段々と顔が
強張ってきた。


      「すまん!!ロン。」


ロンの顔は蒼白になった。
見ていた俺の携帯を
ゆっくりとテーブルに置き
ポケットから自分の携帯を取り出すと
杏奈の番号を押した。




何回もかけてみるが出ない。

「もう、論やめろ‼
やめるんだ。」

携帯を取り上げるとロンは
立ちつくしていた。

暫く呆然と時間が過ぎていった。

ロンはテーブルの上の携帯をつかむと、
ふらふらと歩き出し店を出ていった。
車にぶつかりそうに歩く論を、俺は
慌てて追いかけた。



     「待て、待てロン。」


俺は叫びならロンを追いかけた。

ロンの腕を引いてぶっ叩いた。



《《《 馬鹿やろー。》》》》




ロンはよろけながら

携帯を川に投げ捨て、道路に
俯せになって声を殺して泣いていた。


 「もう!俺は帰らない。
  アイツに伝えてくれよ。」 

そう偶然杏奈と彼氏のツーショットが続き、最後には濃厚なキスシーン!

一途な論にとっては残酷な
1枚だったに違いない!






電話は、繋がらない。

杏奈の新彼はイケメンで
俺達より7歳上‼
杏奈がインターンシップで
仲良くなった若い外科医だった。


どう取り繕えとゆうのか?
ロンは見てしまったんだ。




  杏奈を呼び出し聞き出した。


  ロンにしてやれる俺の、最後の
  悪足掻きだ。

相手は医師、軽い付き合いだった。

 「そんな、嘘はいい、
  深い付き合いなのか?」

   「どうなんだ?」

「ち、ちが…」

  「 ロンはいい奴だよ。
    だまし通すのか?
    杏奈なにやってんだよ。」

「…  ゴメン。…」



 「付き合って…る。彼が
        好きなの。」

そして続けて言った。

「友達はいっも彼氏と一緒なのに…
 寂しかったの…
 自分だけ一人な気がして…
 ゴメンナサイ。」

女の涙ほど男を串刺しに
して動けなくする、武器はない。




 そんな風に泣きながらも
 何時の間にか男を呼び出し
 帰っていく。

 
杏奈よ、お前も小悪魔だったんだな!!


車の中にロンを待たせて、俺も
泣いた。



「情けない、あんな女だったとは…。」
 ロンがバカす…じゃなく可哀想過ぎ
る。
 俺もそれから女が信じられない。


    「杏奈、幸せになれ…。」
  論はそれだけ呟き杏奈を見送った。

そのまま空港にロンを送った。
それから10年ロンはどこで何してい
るか俺達は知らなかった。



そして、たまたま汗流しにやってきた
温泉で論と再開した。

過去に起きた出来事を忘れた様な
明るい論にオレは安心した。






       

       




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