キミに夢中な俺‼

婚約者、になる。

朝10時 軽いサンドイッチを作り
牛乳をコンビニで買って紬の
マンションへ行く。



昨日購入した婚約指輪を持って。


 呼び鈴を何回も押すけど
 出てこない。
 携帯もラインも繋がらない。




一抹の不安が襲って来る…
可愛らしい姿で街にでたのなら男が
ほっとく筈がない。


小さなピンクのパッケージを握り締め
ポケットに放り込み
心辺りを探し回る。


咲妃にも、清代乃にも
連絡はない!

あ~昨日つれて帰るべきだった。
ひつかかえても連れて帰る
べきだったー。

兎に角二人に連絡取れたら教えてと
頼みこんで・・・
駅前とか、飲食店とかデパートとか。



お昼過ぎ、咲妃から連絡が来て
場所は、わからないけど
温泉にいるらしい事を知る。
岡山の温泉を充分堪能出来なかった
からか?
嫌がらせか?

近場の温泉を体当たりに探し回った。
そして見つけた。

女将さんに事情を話、指輪を見せて
ようやく中に入れてもらえた。


携帯での写真も見せたり
免許証を見せたり結構ガードが
堅かった。


そしたらあいつは
 ぐースーピー
イビキも酷く疲れてるようだ。
 俺は起こさなかった。

お茶飲んだり風呂入ったりしてたら
俺も眠ってしまった。



  でもアイツのコチョコチョ
           
  で俺は起こされた。
  俺はおこさなかったのに…
ユックリ寝かしてあげたのに


 愛情の差を感じた。
俺はフカーイ愛情で疲れた紬を
 ゆっくり休めたかった。
 紬は、…オレを起こしまくった…
 この差って…ナニ?

  それは‼、置いといて

昨日探して回った指輪を紬に渡せた。

紬のキラキラした顔は
確かに嬉しそう。
紬は、俺のものになったと実感。
やっと手に入れた。



アイツは、有給バンザーイと言ったが
俺は婚約バンザーイと、
言ってほしかったな。
お前女かょ。
そう言われたくないからスルー!



また平常が戻って来た。
紬は、俺のマンションに来る日が
増えてきた。


婚約指輪は紬の薬指に光っていたが…
俺は会社に行ったらはずした。
落ちないようにポケットの
ボタンをぴっちりしめて。



名瀬って、好奇心の固まりが
ウジャウジャいて紬の職場まで
探しに行きそうだったからだ。


折角の紬の苦労を無駄にしたくなかった。


まだ婚約したばかりで
二人でなにも決めてない。
其れまでは、そのままだ。
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