キミに夢中な俺‼

三田と朋美

何より怖い、嫉妬心!
身を持って体験した。

紬を押さえ込んでも話さないと
紬は、誤解している。


「あ、ほら隆史!灯りついたわよ。
紬ちゃん帰ったんじゃない?
 論、私もいこうか?」


「いや、もう暗いから妊婦さんは
  家にいないと。
   遙ちゃんか、可愛いな。

   きっと、神様が明美の誤解を
   解くために紬に合わせて
   くださったんじゃないかな?」




「もう、蒼介の事は、心配するな、
な!! 」

     「うん。」グスッ

二ヶ月前


「あ~あつかれ、‥」
ふと電車を降り食事にでもいこうと
食事処を探した。
    
駅のエスカレーターにぐったりとした
女性がのっている。
     

   「あれ?おかしくない?」


全身に鳥肌が立った。
持ってた荷物を放り投げ走った。
こんな事したら駄目なのだがもうすぐ
上に着いてしまう。

エスカレーターを三段跳びで
ダッシュして彼女を抱え込んだ、間に合った。
後二段で危なかった。
彼女はもう立ってられなくへたり込んでいた。



紬は、ホッとして、なんとか椅子のある
場所までゆっくりと、抱えながら
歩かせた。



吐き気が凄い彼女に袋を差し出し
吐かせて、自販機から水を買い、
口をすすがせた。




親切なお婆ちゃんが飛んできて、

「大変だったね。

はい、荷物全部あるかい。」
と紬の荷物を持って来てくれた。


「ああ、ありがとうございました。」

お婆ちゃんは身なりのいい人でもう
一人娘さんなのか?、50代くらい
の綺麗な人と一緒だった。



「大丈夫?救急車呼ぶ?」
綺麗な女の人は倒れた彼女に聞いた。



「有り難う御座います。
 主人に電話しますから
 大丈夫です。
 貧血気味でたまにこうなるんです。
 御迷惑おかけしました。」



「そう?ならいいけど、じゃ
お大事にね。」

紬が代わりに、ペコペコ頭を下げて
御礼を言った。


二人はニコニコしながら去って行った。


携帯の旦那さんの番号を押して
迎えにきてもらう事になった。

眼鏡をした、優しそうな論位の
歳のイケメン 旦那さんが現れた。


髪をオールバツクでスーツの似合う
人だった。

「良くして頂いて有り難う。
 御礼をしたいので住所教えて下さ
い。」


「えっと、実は今住む場所を探して     て、まだ決まって無いので‥

それより、奥様
  
妊娠してませんか?
診てもらったがいいと思います。」      



急ぐ旅ではないのでおつき合い
します。旦那さんが車を回して来る
まで付き添い、フラフラしている
彼女に病院までつきそった。

結果は妊娠二週目
一人目を生んでなかなか二人目が出来なく不妊治療を始めて三年だった。



二人は泣きながら喜んだ。
紬も幸せな時間を過ごせたと御礼を
言った。
病院で別れをつげ歩き出した紬を、
夫婦で引き留めて部屋を提供された。


紬がいなかったら、せっかく望
まれた子供を流産していただろう。
考えると恐ろしい。
そうつぶやいた彼女の顔が忘れられない。

      
      

      
   


     




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