夏に消えた彼女
「あっつい……。早く終わらないかな、夏……」とぼやきながらソーダ味のアイスを齧り、僕は今日もまたたまたま会った彼女と海にいた。
隣にいる彼女は冷たいラムネを飲んでいる。
「私は夏好きだよ。夏休みはワクワクするし、夏祭りは美味しいものがいっぱい!花火も綺麗だしね」
彼女がラムネを傾ければカラリと中のビー玉が鳴って、透明な瓶に入ったラムネが太陽に反射する。
ラムネを飲んで動く白い喉に、僕は釘つけになる。
それに気付いたのか、彼女は「飲む?」とラムネが入った瓶を僕に手渡してきたけど首を振って断る。
別にラムネが飲みたい訳じゃない。
僕が見ていたのは夏が好きだと言う彼女だ。
僕達の関係は言葉で言ってしまえば、友達なのかもしれない。
でも、僕は──。
「暑いねぇ。今日も」
今日も白いワンピースに麦わら帽子姿の彼女。
僕はそんな彼女の言葉に、「早く終われ、夏……」とぼそりと言ってアイスに齧りついた。