はちみつの景色
「あ、もうこんな時間!」
「5時だね、急ぎ?」
「うち6歳の弟がいて、今日親いないから」
「そっか、じゃあまた明日、学校で」
「うん、バイバイ」
あまりにも突然で、あまりにも一瞬の出来事のように感じた。
ずっと同じクラスになれなかったし、チャンスもなかった。
とにかく、もっと仲良くなりたい。
また、店に来てくれないかな?
友達にもほとんどバイトのことは話していない。静かで落ち着いてる、そんな自分の平穏だから。
そう思ってたのに、
中川さんはやっぱり特別なんだと実感した。