学年1のイケメンが探してる美少女は うちの弟です
「うわー、知ってたけど ネットの世界って怖っ」
と言いながらも、育美ちゃんはやっぱり楽しそうな顔だ。
「コメント見る限りだと、すぐに向かえる距離だったのは私だけみたいだね。 まぁ…コメントせずに来る人も居るかもしれないから、一応警戒はしておかなきゃね」
「……別に誰が来たって問題ないよ。 会ったら会ったで、笑顔で対応すればいいし」
「でも「唐草 美麗」が男だってバレたら大変じゃん?」
「バレるバレないの前に、俺「女です」なんて言ったことないんだけどなぁ……」
そりゃあ、姉ちゃんの名前を借りちゃったから 確かに女っぽい感じになったけど。
でも性別を公言したことは1度もない。
みんなが勝手に勘違いしただけで、勝手に俺を持ち上げてるだけだ。
……なーんて、そんなことを思いつつ。
実際に悪いのは、確実に俺だろうなぁ……。
だって俺、女子っぽい感じで投稿してるから。
街中で見つけた可愛い物は躊躇わず撮るし、投稿する時は女子がよく使う絵文字を使ったりもする。
「美麗」って名前を使おうと決めた時から……俺は女子を演じていたんだ。
勘違いしても仕方ない。
俺がそう振る舞っていたからだ。
誰も悪くない。
悪いのは…俺なんだ。