学年1のイケメンが探してる美少女は うちの弟です
姉ちゃんには迷惑をかけちゃうかもしれない。
円くんやトラくん、そして俺のアカウントを知ってる学校の友達にも。
何も言わずに逃げた方が楽だろうな。
アカウント消して、別の名前でまた写真を投稿した方がきっと楽だ。
でも逃げない。 逃げたくない。
stardust193が…育美ちゃんが責められっぱなしで終わるのは絶対に嫌だ。
「姉ちゃんのことは言わないし、円くんたちのことも言わないよ。 もちろん育美ちゃんと会ったこともね。 だからっ……」
と言いかけてる時に、 バシッ と頭を叩かれた。
叩いてきたのは もちろん姉ちゃん。
いつもみたいに不機嫌そうに、それでいて呆れた顔だ。
「ハァ……そんなに必死にならなくていいから。 ていうか、私が止めたってどうせ載せる気でしょ? だから止めないよ、疲れるだけだもん」
「……ありがとうっ」
「でもマスクはつけることっ。 マスク姿は何回か公開してるし、ファンならマスク姿でも「唐草 美麗」だってわかるはずだから」
「うん、りょーかいっ」
カバンにマスクを常備しといて よかった。
写真をアップしたら それはそれで面倒臭いことになるかもしれないけど……自分のやりたいことをやろう。
最悪の場合…アカウントを消すということも考えながら。