学年1のイケメンが探してる美少女は うちの弟です


4人で軽く話をしながら海を眺める。


時雨くんのことを「マル」と呼ぶことにしたから、伊勢谷くんのことも「トラくん」って呼びたいな。 ということを伊勢谷くんに話すと、笑顔で了承してくれた。



「トラくん、私のことも さん付け じゃなくていいよ?」

「ありがとう。 でも俺、女性に対しては基本 さん付け なんだ。 恋人なら迷わず呼び捨てにするけどね。 だから今のままでいいかな?」

「そっか。 うん、じゃあそのままでよろしくね」


「うん」



まぁ……トラくんがいいなら それでいいか。

むしろ、それが1番いいのかもしれない。

だって女子のことは全員 さん付け なのに、私だけ呼び捨てとかにされたらメチャクチャ目立つから。

それに……トラくんのファンに因縁をつけられても困るしね。






「あ、ヤバい。 電車の時間まであと10分も無いぞ」



携帯で時計を確認するマルが、ほんの僅かな焦りを見せた。



「これを逃すと、次は50分後だってさ」

「……えっ、ほぼ1時間後っ!? かなりヤバいじゃんっ!!」

「だからヤバいって言っただろ。 仕方ない、駅までダッシュするぞー」



……ということで、帰り道もまた全力疾走……。


死ぬほど走って走って走りまくった私たちは、無事、電車が来る3分前に駅に到着することが出来た。

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