学年1のイケメンが探してる美少女は うちの弟です


……えっ!?



「ちょっ、ちょっと待って!! いつの間にそんなの撮ってたのっ!?」

「砂浜で。 俺がトイレに行くって言ったあと、姉ちゃんたち二人で喋ってたじゃん? それを後ろからこっそりと」

「はいっ!? ていうかっ、さっき「アップ完了」って言った!? SNSに載せたのっ……!?」


「うん、でも心配しないで。 「カップルが居る」っていうシルエットだけで、身バレしないように気をつけて撮ったから」

「見せてっ!!」



和真の携帯を奪い取る。

そこに表示されていたのは、和真の…「唐草 美麗」のページだ。

【海に沈む夕日】という よく聞くような言葉と共に1枚の写真が投稿されている。


……オレンジ色の太陽と、光りをキラキラと反射させる海。

写真の隅には 砂浜に座る男女の後ろ姿があった。

和真が言ったように、写ってる男女はシルエットがわかる程度だ。

全身が黒っぽく影になってるから、身バレ…は、しないと思う。


あの場所に居たのは私たち4人だけ。

これを見て「時雨 円」と「早乙女 美麗」だと気づく人は居ないはずだ。



「……って、もう「いいね」が100個くらいついてるし……」



つい1分…2分くらい前に投稿したばっかりなのに、あり得ないスピードで「いいね」がついている。

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