学年1のイケメンが探してる美少女は うちの弟です


「今日は家に押しかけた上に遠くまで連れ出しちまって ごめんな?」

「ううん、大丈夫だよ。 なんだかんだで結構楽しかったしね」

「そっか、よかった。 じゃ、俺らこっちだから もう行くな」


「うん」



ひらひらと手を振るマルに、私も手を振る。

マルの隣に居るトラくんは、ニコッと笑ったあと小さく小さく手を振った。



「円くんトラくん、まったねー」



勢いよくブンブンと手を振る和真。

それを見たマルとトラくんは、二人とも楽しそうな顔で手を振り返した。



「じゃあ姉ちゃん、帰ろっかー」

「うん」



既に歩き出してる和真を追って、私も歩き出す。

チラリと振り返ると、マルたちも既に歩き出していた。


長かった1日が終わる。 終わってしまう。

その事実にほんの少しだけ寂しさを感じて、小さく息を吐く。

ふとその時、携帯を手に持った和真が立ち止まった。



「どうしたの?」

「家に帰る前に写真をアップしようかなーと思って」

「えぇー……帰ってからでいいじゃん」


「すぐ終わるから待ってて。 よっしゃ、アップ完了…っと」

「まったくもう……。 そういえば、どんな写真を撮ったの?」

「姉ちゃんと円くんのツーショット」



……ん?

私とマルのツーショット?

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