学年1のイケメンが探してる美少女は うちの弟です
シャッターの音が止まり、しゃがんでいたマルが そのままそこに座り込んだ。
晴れた空を見上げて、小さく小さく息を吐く。
「和真が撮る写真はいつだってキラキラ輝いているし、それを見た人たち全員を笑顔にすることが出来る。 でも俺の写真はどうだろう? 俺の写真は、誰かの心に届いているのかな? 誰か一人でも…笑顔にすることが出来ているのかな……?」
「……」
「……なーんちゃって。 ははっ…何言ってるんだろうな、俺。 意味不明すぎだっつーの」
「マル。 私はマルの写真を見て、心を奪われたんだよ」
マルの隣にしゃがみこみ、真っ直ぐに瞳を見つめる。
「他の人がマルの写真を見てどう思うかなんて、私にはわからない。 だけどこれだけはハッキリしてるよ。 私はマルの写真が好き。 他の誰かが撮った写真よりも マルの写真が1番好きなんだ」
「……」
「マルの写真は私の心に届いてる。 私には、ちゃんと届いているよ」
誰もマルの写真に気づかなくても、私は気づく。
ずっとずっと好きで居続ける。
「それじゃダメかな?」
私じゃダメかな。
私だけじゃ…やっぱり足りないだろうか。
マルはさっきからずっと黙ってる。
なんか…無言が続くのはちょっと……ツラい……。