罪作りな彼は求愛方法を間違えている
なんでこんなキスするの?と聞きたいのに、呼吸が荒く言葉が出てこないので、彼を睨む事が私の精一杯の抗議。
彼は苦笑して、私の唇を指先でなぞりながら話しだす。
「いきなりやり過ぎたか⁈…つい、夢中になった。でも、お前だから止めれなかったんだぞ。気持ちが乗っかるとキスでも気持ちいいって初めて知った」
この人、何言ってるの?
確かに気持ちいいキスで、私も夢中になったわよ。
まさか、私と同じ気持ちって事?
そうなの?
ねぇ…はっきり言葉にしてよ。
嬉しそうに顔面を崩してニコッと笑っている彼は、照れた様子でこめかみの辺りを指先でかき、何も言わない私を見ている。
沈黙に耐えられなかったのは彼の方で、私の唇にチュッと軽くキスし、私が散らかしたテーブルの上を整理して立ち上がった。
「エイヒレ温めるんだよな⁈レンジ借りるぞ」
「う、うん」
普段の彼に戻る態度に、こちらもなんとか頷くことができた。
そして、彼の後を追ってキッチンへ行くと、おつまみを広げるお皿と小鉢を出して、冷蔵庫の中からマヨネーズ、そして調味料棚から一味を取り、小鉢にたっぷりとのせていると、背後から腰を抱く腕と、肩に乗る高橋さんの顔に、ドキッとさせられる。