罪作りな彼は求愛方法を間違えている
昨日の惣菜などを食べてお腹でもこわしているのかと様子を見ても元気そうだ。
トイレは、排出後の後処理もちゃんとしてあるから、お腹は空いているはずなのにと、首を捻っていた。
もしかしたら、昨日の惣菜を食べて固形の餌を食べたくなくなったのだろうか?
もう…と、昨日、すぐに片付けなかった事を後悔してテーブルに目をやると、高橋さんが買ってくれた猫缶が置かれていた。
仲間はずれにしてしまった後ろめたさから、私は、猫缶を開け固形の餌と混ぜてそらくんの前に持っていく。
「ひとりぼっちにしてごめんね。今日はスペシャルだよ…どうかな?」
クンクンと匂いを嗅いでから、ペロリと一口目を食べてくれた。
お気に召したようで、あっという間に平らげたそらくんは、口のまわりを綺麗に舐めてから、給水器のお水を飲んだ後、遊んでとおもちゃを持ってきて、私の頬は緩む。
「いーよ。遊ぼっか」
しばらく羽根のついた猫じゃらしでそらくんと遊んでいたら、ボクサーパンツ姿の高橋さんが欠伸をして起きてきた。
「おはよ」
「…おはよう」
高橋さんの登場に、そらくんはどこかへ行ってしまい、彼の姿を直視できない私は、背を向けキッチンへ。
「朝ごはん食べるよね⁈」