罪作りな彼は求愛方法を間違えている
好きだと言う言葉もなく、独占欲を露わにする高橋さんに、お湯の溜まったバスタブの中で身体中を不埒に触られて散々鳴かされ、ベッドに戻っても彼は私を求めてくれた。
ガチャガチャと磨りガラスに爪を立てる音に目が覚め、目を開けるとカーテンの隙間から日差しが入ってきていた。
うそ、何時?
寝室にある時計の針は朝の9時前を指している。
そらくんの朝ごはんの時間はとっくに過ぎていて、慌てて体を起こそうとしたら体に巻きつく腕が邪魔をする。
そこで、力の入っていない重い腕を持ちあげ体を動かそうとするが、身体中が痛くて思うように動けない。
チッ、気持ち良さそうに寝てムカつく。
もう無理だと言っても彼は私を求めてきて、彼のタフさに根をあげ寝落ちしてしまうまで続いたのだ。
なんとかベッドから出てロボットのように動く足
でドアまでたどり着き、開けた瞬間、そらくんが私を見つけ抱き上げてというようにジャンプしだすので、腕に抱き上げたら、力の入らないせいでズッシリと重く感じる。
それでも、腕に抱きながらキッチンまでゆっくりと歩いて行きご飯をあげる用意をした。
そらくんを腕から下ろし、いつものご飯を餌皿にのせてあげたが、匂いを嗅いだだけで食べようとしない。