孤独であった少女に愛情を
体のアザは先生が手当てしてくれたおかげで、思っていたより早く消えていった。

そして、一ヶ月が経ちアザは完全に消えた。
でも、それでもまだ同じ夢を私は見る。

毎晩のようにうなされる。

そのせいで、寝たくないと起きていたこともあった。

「せんせい。」

私は、うなされながらもいつのまにか先生のことを小さな声でだが呼ぶようになっていた。

そしてある日。

その日はなぜかいつも以上にうなされた。

バッと目を覚ますとリビングの灯りがまだついていた。

「先生、まだ起きてたんですね。」

私はドアを開けてそう言った。

「はい。Aさんは悪い夢でも見ましたか?」

「いえ、どうしてか目が覚めてしまって。」

「そうでしたか。」

先生は優しい声でそう言った。

「もうすぐ終わりますが、どうしますか?」

そう聞かれ、私は迷い目を泳がせた。

またあの夢を見たくはなかった。

私が応えに困っていると、先生はこちらに体を向けて私を見た。

「やっぱりまだ、あの時と同じ夢を見ますか?」

私は目を見開いた。

『まだ、同じ夢を私は見ている。』

「実はここに来た日もあなたは酷くうなされてました。」

先生は知っていたんだ。
そのことに私は驚く。

「眠れませんか?」

私は小さく頷いた。


頷く私に先生はホットミルクを淹れてくれた。
先生のキーボードを叩く音。
私はそれを耳にうとうとしてしまう。

そして、結局私は先生の仕事が終わるのを待ちながら寝てしまった。
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