早熟夫婦〜本日、極甘社長の妻となりました〜
人知れず落ち込みつつ、尚くんにもお茶を出している間に、彼女は話を再開させる。
「今回の話、またとない案件でしょう。この会社と、あなたの知名度がぐっと上がるのは間違いない。なのに、どうして渋るのよ」
怪訝そうな進藤さんの言葉を聞き、なぜ今日やってきたのかをなんとなく理解した。
尚くんはなにかのデザインを頼まれたものの、それを引き受けることを躊躇っているようだ。大きな仕事らしいのに。
その理由を、彼が浮かない表情で淡々と言う。
「一度断られてるんだから当然だろ。俺のデザインはSHINDOUのイメージに合わないって」
「それは父の個人的な意見でしょう? それに、あの人はもういない。遠慮なんかしなくていいわ」
進藤さんは少し荒々しさを感じる口調で、すぐに返した。
どうやら彼女のお父様、つまり進藤社長には、尚くんが作ったデザインをお気に召してもらえなかった過去があるらしい。
でも、〝あの人はもういない〟ということは、すでに社長を辞めているのか、それとも……。
ぐるぐると考えを巡らせるも、これ以上この場に居合わせるわけにはいかない。トレーを抱え、軽く頭を下げて歩き出す。
「今回の話、またとない案件でしょう。この会社と、あなたの知名度がぐっと上がるのは間違いない。なのに、どうして渋るのよ」
怪訝そうな進藤さんの言葉を聞き、なぜ今日やってきたのかをなんとなく理解した。
尚くんはなにかのデザインを頼まれたものの、それを引き受けることを躊躇っているようだ。大きな仕事らしいのに。
その理由を、彼が浮かない表情で淡々と言う。
「一度断られてるんだから当然だろ。俺のデザインはSHINDOUのイメージに合わないって」
「それは父の個人的な意見でしょう? それに、あの人はもういない。遠慮なんかしなくていいわ」
進藤さんは少し荒々しさを感じる口調で、すぐに返した。
どうやら彼女のお父様、つまり進藤社長には、尚くんが作ったデザインをお気に召してもらえなかった過去があるらしい。
でも、〝あの人はもういない〟ということは、すでに社長を辞めているのか、それとも……。
ぐるぐると考えを巡らせるも、これ以上この場に居合わせるわけにはいかない。トレーを抱え、軽く頭を下げて歩き出す。