熱情バカンス~御曹司の赤ちゃんを身ごもりました~

彼からのメッセージを呼んだ私は、思わず口元が緩んでしまう。

私が妊娠を明かしてからの梗一はとても過保護。マメに連絡をくれるのはいいけれど、〝食事はちゃんと食べているか〟とか〝今日は転んだりしなかったか〟とか、ちょっと心配症過ぎて困ってしまう。

本当は早く一緒に暮らせればいいのだけれど、天海優良さんとの結婚話の件で、彼の自宅付近にはマスコミが張り付いているらしい。

だから、それが落ち着くまで私は姉の元にいるのが安全だろうと梗一が判断した。

その間に先生が天海優良さん本人に会って、どうしてあんなニュースが流れることになったのか、事情を聞いてくれることになっている。

本来は梗一が彼女に直接会うのがいいのだろうけれど、マスコミに嗅ぎつけられてしまえばまた面倒なことになるからと、先生がその役を買って出てくれた。

そして、すべての疑問がスッキリ解決したそのとき、梗一がようやく私たちを迎えに来てくれるのだ。

時間はかかるかもしれないけど、私たちは、一歩一歩、前に進んでいる。

大丈夫だから……頑張ろうね、一緒に。

私はまだ膨らみのないお腹を見ながら、心の中で語り掛ける。

ひとりでいても、こうして話しかける相手がいるだけでなんだか心強い。

たとえ今は好きな人と一緒に暮らせない現状でも、お腹の子のおかげで前向きに歩いて行ける気がした。


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