ママと秘密の赤ちゃんは、冷徹皇帝に溺愛されています
私は嬉しくなってレオンに囁く。

「レオン、早く答えてあげなくちゃ」

レオンははっとしたように我に返り、リラを力強く抱き上げた。

「リラありがとう」

リラは声を立てて笑う。その姿は幸せそうで、私も幸せでいっぱいになる。

こんなに幸せな日が来るとは思わなかった――。


私の選択は間違っていたのかもしれない。だけど後悔はしていない。

だって今こんなに幸福なのだもの。

愛する家族と一緒に居られて、大切な人たちに祝福して貰えて……。

これから大変なこともあるだろうけれど、きっと頑張れる。


みんなが見守る中、祭壇への道をレオンとふたりで進んだ。

神の前で心から誓う。もう二度と離れないと。

「イリス、愛しているよ」

彼の甘く幸せそうな声が耳を擽る。

「私も愛してる」

彼の顔が近づいて来て唇が触れ合った。

それは二度と離れない約束のキスになる。



「イリスの選択」完結

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