ママと秘密の赤ちゃんは、冷徹皇帝に溺愛されています
『あのね、レオン様は私のお気に入りの本で見た天使に似てるのよ。凄く綺麗なの』

『は? 何言ってるんだよ、俺が天使な訳ないだろ?』

『本当よ、今度その絵本を持って来るから一緒に読みましょう? この家には子供は私だけだから今までお友達がいなかったの。だからレオン様が来てくれて嬉しい。仲良くなって一緒に遊びたいの』

帝位とか見返りとか、当時の私にはよく分からなかったし、気にもしていなかった。

それでも彼の友達になりたいと思う気持ちははっきりしていたから、素直な気持ちを告げてニコリと微笑むと、レオンは困り顔になる。

『俺と友達?』

『……もしかして嫌?』

『いや……そうじゃないけど……なんて言うか……イリスは変わってるんだな』

彼はほんの少しだけ目元を緩ませて私の名前を口にした。

それが嬉しくて私はますますニコニコして、楽しいおしゃべりを続けたのだ。

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