ママと秘密の赤ちゃんは、冷徹皇帝に溺愛されています
「仕事で迷惑をかけてしまうのが申し訳なくて……」

「そんなこと気にしなくていいよ。今はリラちゃんの治療に専念した方がいい」

「でもお嬢様からショールの注文が入ったんですよね?」

セルジュは困ったように紙袋を見た。

「そうなんだよな。カーラさんに依頼するにしても、直ぐには出来ないだろうし」

カーラさんとは洋裁店で働くもうひとりのお針子さん。

十年働いているベテランさんで、手先もとても器用だった。

裁縫の腕は私よりずっと上。だけど刺繍はその人の個性が出るから真似をして作るととても時間がかる。何度も繰り返すことでスピードも上がるけれど、今すぐと言うのは難しいだろう。

私は少し考えてから提案をした。

「良かったら、今注文を受けている分は、転院先で作成して送るようにします」

「本当? 大丈夫なのか?」

「はい」

私としてもそうしたい。

セルジュは少し迷ってから、「じゃあ、お願いするよ」と紙袋を差し出して来た。
受け取り中身を確認する。

若い女性に似合う、柔らかな色味の生地に色とりどりの刺繍糸。それに注文の内容などが記された紙が入れて有った。

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