潜入恋愛 ~研修社員は副社長!?~
途中で渋滞に巻き込まれてしまって…と言い訳を重ねる彼。
だけど、私はそんな言葉を言って貰いたかったんじゃなく、私が送った文字をそのままの意味で受け止めないで欲しいと言いたかっただけ。
「そんなの別に構いません。遅刻してきた訳じゃないんですから」
私は彼の言葉を突っ撥ねるように返事して、目線を上に向け直す。
まだ薄っすらと汗ばんだ額を見遣ると溜息を漏らし、小声を発しながら謝った。
「今朝のメールでは失礼しました。お仕事大変そうなので無理をしなくてもいい…と、ただそういうつもりで送ったんです」
別に会いたくないとか、間違ってもそんなこと思ってない。
むしろ午後休職だと知って、最初はがくっと気落ちしたんだ。
(だけど、一応指導係の役目もあるし、彼の仕事のことを思えばこそ、こっちが融通を利かすべきかなと考えて…)
ごめんなさい…と素直に謝って許しを乞うべきなんだろう。
でも、不器用で言葉にはならず、ぐっと唇を噛んで押し黙った。
「分かってるけど?」
彼はさらりとそう返すと、パタパタと首元のワイシャツを揺らし、あっちぃ…と呟いてから付け足した。
だけど、私はそんな言葉を言って貰いたかったんじゃなく、私が送った文字をそのままの意味で受け止めないで欲しいと言いたかっただけ。
「そんなの別に構いません。遅刻してきた訳じゃないんですから」
私は彼の言葉を突っ撥ねるように返事して、目線を上に向け直す。
まだ薄っすらと汗ばんだ額を見遣ると溜息を漏らし、小声を発しながら謝った。
「今朝のメールでは失礼しました。お仕事大変そうなので無理をしなくてもいい…と、ただそういうつもりで送ったんです」
別に会いたくないとか、間違ってもそんなこと思ってない。
むしろ午後休職だと知って、最初はがくっと気落ちしたんだ。
(だけど、一応指導係の役目もあるし、彼の仕事のことを思えばこそ、こっちが融通を利かすべきかなと考えて…)
ごめんなさい…と素直に謝って許しを乞うべきなんだろう。
でも、不器用で言葉にはならず、ぐっと唇を噛んで押し黙った。
「分かってるけど?」
彼はさらりとそう返すと、パタパタと首元のワイシャツを揺らし、あっちぃ…と呟いてから付け足した。