潜入恋愛 ~研修社員は副社長!?~
声を低めて見上げる彼の表情が固そうで、一体何?…と不安が過る。
だけど、その真剣そうな眼差しに、早くも別れ話だな…と確信して、項垂れながら床に膝を着いた。


心を落ち着けよう…と息を吐き出し、顔を上げて彼を見つめ直す。

この端正な顔立ちの人と対面するのもこれが最後だ…と思いつつ唇を引き締め、きゅっと奥歯を強く噛んだ。



「俺……これまで黙ってたけど……」


躊躇うような声に、ごくっと唾を飲む。
じっと窺うように彼が私を見るから目線も外せずに、ただ鳴り響いてくる心音に耳を傾けていた__。



「香純はもう知ってるみたいだけど」


そう呟くと尚行さんは天井を仰いだ。
そのまま、あーあ…と短い声を発し、顎を下ろすと同時に私に笑顔を向けた。



「…俺は、OCFの副社長だ」


覚悟を決めたように言葉を加え、私はまた唾を飲む。


「でも、君のオフィスを吸収合併しようなんて、そんなのは全く思ってもないから」


そう言うと、でもそれもアリだよな…と意地悪そうに囁き、こっちはさっと顔色が変わる。


「…その話」


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