潜入恋愛 ~研修社員は副社長!?~
彼の声が途切れかけたのは、ぎゅっと私がウエストの辺りを抱き締めたから。
抱きつく様に彼の胸板に自分の顔を押し当て、声を上げるのを我慢したからだ。


「香純…?」


驚いた彼は、私を抱き起こそうと肩に手を回す。
だけど、それを嫌々と頭を横に振り、更にぎゅっと力を込めて抱き付いた。


そうしてると、何かに満たされるような気がした。
家事も出来ない自分が許されて、彼の温もりに包まれるような感覚。

それでもいいと彼は言ってはいないのに、いいと言われたような気がして落ち着く。
甘えてても許されような気がして、ホット気持ちが和んで身を投げ出せた。


このままずっと、こうして居たいくらいに安心する。
彼の優しさに、自分が癒されて、心地良さに包まれていく___。



「私……」


いろいろと情けないけど、やっぱり自分の気持ちを素直に言おうと決意して、ぐっと拳で涙を拭う。

潤んだ瞳で顔を上げると、目の前には驚いたような顔をしている彼がいて。
その顔を見ると、また涙がこぼれていった。


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