潜入恋愛 ~研修社員は副社長!?~
「企業の副社長という立場も、私は全く理解しておりませんよ」


議員一筋みたいなもんですからね、と牽制する言葉を吐き出し、私はついハラハラしてしまった。



「…大丈夫よ。あれ、虚勢張ってるだけだから」


母はちらりと父に目線を配ると私に囁き、尚行さんと握手をしながら、先日はどうも…と挨拶し合う。


「ご両親様は?」

「中で待っています」


どうぞ、と言いながら料亭の中を差し示す彼。

今日は別に堅苦しい話をする訳ではなく、気軽に食事をするだけだから、全く気に病む必要も何もないのは分かってるんだけど……。


廊下を歩きながら、私は一人この先のことを心配して胸を弾ませていた。

特に自分の母が滅多なことを喋りませんように…と願い、皆の後を追って行った__。



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