命令恋愛
いつからいつまでがお試し期間かなんて決めていなかったけれど、今のあたしは勇気君と別れる気はなかった。


香菜美の言う通り、勇気君は年下だけどしっかり者で、一緒にいて安心できる存在だった。


「そう……かな?」


あたしは首をかしげて香菜美を見る。


きっと、あたしから勇気君に話を切り出せばその時点で本物の恋人になってくれると思う。


そう考えるとなんだか照れてしまうけれど。


「そっか。じゃあ、もうゲームも必要ないね」


「え?」


「だって、彼氏ができたらゲームキャラのモデルと会う必要もないでしょ?」


香菜美の言葉にあたしは恭介の笑顔を思い出していた。


もう、会う必要はない。


もう、ゲームをする必要はない……?


「そう、だね……」
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