この想いを言葉にのせて
いちごみるくと先輩
side : Kumatani
春って、何となく面倒くさい。始まりの季節って言うだけあって色々あるし、ゆっくり過ごすこともままならないから。
でも、さくらの甘い香りは好き。あと、太陽がぽかぽかしてるとこも。単純に寒いのが苦手だからっていうのもあるけど、太陽のにおいが好きだ。
どんなとこがって聞かれるとうまく答えられるわけじゃないし、何となくとしか言えないんだけど。
そんな事を言うと友達には「クマタニってほんと不思議だよな」って言われるから、きっと僕独特の感覚なんだと思う。
目の前をはらはらと散っていくさくらを何となく見つめながら歩いていると、すぐ横を通り過ぎる女の子に気がついた。さくらよりもっと甘ったるい香りがすり抜けていく。
いつも姉ちゃんがつけている香水とも違っているその香りが何なのか、思考を巡らせて気づいた。あ、そうか。これ『いちごみるく』だ。
何だか無性に飲みたくなってきけれど、さすがに入学して一発目の登校日に遅刻はまずい。変に目立ちたはくないし。我慢するのはあんまり好きじゃないけど、仕方ないか。