はずむ恋~見つめて、触れて、ときめく~
だけど、爽やかでイケメンな片瀬さんは先輩の女性社員からも人気があるから、あえて言わないし、社内では必要以上に話はしないと彩音が言っていた。

確かに噂の的になったら、あれこれ言われるだろうから知られない方がいいだろう。

私も玲司さんとのことも、彩音にしか話していない。私たちの方が噂になったら、大騒ぎになりそうだ。

周りに知られるよりもまずは親の了承を得たい。今月の三連休に父が帰ってくるから、一日目の夜に玲司さんが挨拶するために来ることになった。


「こういうのはやっぱり緊張するね」

「緊張しているようには見えませんけど」

「ほら、ドキドキしてるでしょ?」

「わっ、本当だ」


私の家の駐車場は一台しか車がとめられないので、近くのコンビニで玲司さんが来るのを待って、そこからコインパーキングを案内した。

そして、家までの道のりを手を繋いで歩いている。

たくさんの人に接する仕事をしている玲司さんは、挨拶するのも慣れているだろうから緊張するというのは信じられなかった。
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