はずむ恋~見つめて、触れて、ときめく~
無事了承してもらえて、玲司さんのマンションまでの帰り道、私たちは車の中で話した。

途中どうなるかとハラハラしたが、藤島さんの援護もあって認めてもらえることが出来た。ちゃんとお礼を言えなかったから、明日言おう。


「あ、それと気になったことが……」

「なに? 何でも聞いて」

「玲司さんのお母さんが苦労したようなことを言ってましたけど」

「あー、あれね。藍果のことを普通の家の子だからと言ってたけど、実は母さんもなんだよ。うちの両親は飛行機の中で出逢って、お互い一目惚れだったらしい。で……」


玲司さんの両親はお見合い結婚なのかと思っていたが、恋愛結婚だった。しかも、一目惚れとはロマンチックな始まりだ。

しかし、いざ結婚したいと話したら周囲に反対されたという。やはり家柄的にふさわしくないと。それでも反対を押しきって結婚したものの、周囲の風当たりは強かった。

だけど、好きな人と結婚出来たのだからと嫁に来てもらえてよかったと言われるよう様々なことをがんばって、今では周囲から頼りにされるほどの存在になっている。


「きっと、大変な思いをされたのでしょうね」

「うん。自分も反対されての結婚だったから、すんなり認めてくれると思ったけどね」
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