はずむ恋~見つめて、触れて、ときめく~
玲司さんが言った朝を妄想してみる。

朝目覚めたら、カーテンの隙間から明るくなった空が見えて、隣を見る。そこには寝顔もきれいな玲司さんがいて、私はそっと近付く。

気持ちよく眠る彼を見て、笑みを浮かべて頬にキスをする。そこで、薄目を開けた彼が私を抱き寄せて、唇にキスをしてくれて……うん、なんて幸せな朝だろう。


「玲司さんが朝キスしてくれたら、がんばろうという気持ちになれる……」

「えっ? 藍果、突然なに? 一緒に暮らしたら毎朝キスしたいけど」

「えっ、ええっ? 今、私声に出してました?」

「うん、しっかり声になっていたよ。もしかして、心の中で言っていた感じ?」


私はこくこくと頷くことしか出来ない。声に出していたなんて、恥ずかしすぎる。


「やっぱり藍果、かわいい。毎朝キスしてあげるから、一緒に暮らそうよ」

「はい、お願いします」


恥ずかしくても、玲司さんの要求を受け入れたい。毎朝キスしてくれるなんて、毎日幸せな気分になれる。

運転する玲司さんの横顔を見ると、彼はチラッと私を見て、口元を緩めた。玲司さんの笑顔に私はいつもときめく。


「好きです」

「俺も」


*END*
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