はずむ恋~見つめて、触れて、ときめく~
「そっか、支配人は優しいね」

「うん、優しい人だと思う。でも、私は付き合いたいと思ってないよ。好きでいたいだけ」

「なんで? それだけでいいの?」

「うん。だってね、支配人見ると胸がワクワクと弾むし、ドキドキするの。で、いろんなことをがんばろうと意欲的になれる」


彩音はビーフンをひと口食べて、うーんと腕を組む。恋愛経験がほとんどない私は、この気持ちはもしかして恋じゃないのかと不安になってきた。

以前から好きなタイプは落ち着いた大人の人だったから、周りにはいなく芸能人とか手の届かない人に憧れるだけだった。

大学の時に落ち着いた感じの先輩に告白されて、交際はしたけれど、理想と現実の違いにいろいろと衝撃を受けて……三か月で別れた。


「んー、相手が支配人だから安易にちゃんと告白したら?とは言えないよね……」

「うん。自分の立場は分かってるから、付き合いたいとは望んでいない」

「藍果が好きでいるだけでいいと言うなら、いいとは思うけど、虚しくならない? 報われないのに想っているだけって」


彩音の言うことは理解できる。
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