はずむ恋~見つめて、触れて、ときめく~
でも、私は自分の中に芽生えた気持ちを大事にしたい。幸せな結末にはならないと分かっているけど、今は支配人を想うだけで幸せだから。

「虚しくはならない。この先もずっとかと聞かれたら、うんとは言えないけど、今は好きでいられることだけで嬉しいから」

「そっか、藍果が納得出来ているならいいと思う。支配人、魅力的な人だものね」


「うん」と返事をすると、彩音は言葉を続けた。私は、ビーフンを食べながら聞く。


「私も逃げないでまずは自分の気持ちと向き合おうと思う。正直言って、自分でもずっと好きだったか自信がないんだよね。もう一度会えるかどうか分からない人だったじゃない? 会いたいとは強く願っていたけどね。だから、藍果が言うようにもう一度初めから湊人さんを見てみようと思う」

「うん、それがいいと思う」

「もしかしたら、前のように好きにならないかもしれないけれどね」


彩音は苦笑して、残りのビールを飲む。通りかかったスタッフにおかわりを頼んでから、テーブルに頬杖をついて、視線を落とした。


「私、彩音はまた片瀬さんを好きになると思うな」
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