俺の恋人曰く、幸せな家庭は優しさと思いやりでできている「下」
「これって……ドリス国の東にある田舎町ですわ」

フローレンスが呟く。小町が「クリスタルさんは、もしかしたらそこに住んでいたのかもしれませんね」と言った。俺の目が輝く。

「そうか……。もしかしたら、何か手がかりがあるかもしれないな……」

初めて進展した捜査に、俺は嬉しさを感じる。クリスタルを救い出せる日もきっと近いはずだ。

そんな俺を、ロビンがじっと見つめていた。

二時間ほど話した後、俺の家での会議?は終わり、ロビンたちは帰っていった。

クリスタルにいつになったら会えるのだろうか。クリスタルは、俺のことを考えてくれているのだろうか。

そんなことだけが、いつも頭の片隅にある。

「リーバス」

ふと名前を呼ばれて後ろを振り返る。そこにはリーがいた。

リーたちは、俺の家の近くにあるホテルに泊まっている。会議が終わった後は、みんな帰ったはずだ。忘れ物だろうか。

「どうしたんだ?」

俺が訊ねると、リーは「体調の方は大丈夫かイ?」と医者らしい穏やかな笑みを浮かべる。ロビンに怒鳴ったことが嘘のようだ。
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