俺の恋人曰く、幸せな家庭は優しさと思いやりでできている「下」
「……どうりで見覚えが……」

そう言って辺りを見回す私の目に、壁に飾られた大きな剣が映る。

剣の柄には、エメラルドやルビーなどの宝石が飾られている。剣のことなんて何一つ知らないけど、本物だというのはわかった。

剣は、使われていない城に置いてあるにしてはきれいだ。おそらくジャックがきれいにしているんだろう。ジャックは争いごとが好きだから、剣や銃などの武器は大切にするんだと思う。

「お前はこの部屋を掃除しろ」

ジャックはほうきを私の手に持たせると、大広間の扉を開け、私を部屋の中に入れる。そして外から鍵をかけた。

あの剣があれば、脱出できるかもしれない……。

私はぎゅっとほうきを握りしめた。



「……とりあえず、明日この場所に行ってみよう」

俺の言葉に、アレックスたちが頷く。

俺たちは、それぞれに送られてきたジャックからの手紙を見た。どの手紙も内容などは同じものだったのだが、ロビンに送られてきた手紙を火であぶったところ、住所が黒い文字で現れたのだ。
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