刺激を求めていたオレが念願の異世界転生を果たすも、そこはラスボス手前のセーブポイントだった件
----ふいに意識を取り戻したかのように、急に視界に蠢く肌の様な脈動する壁が現れた。

 無意識に手は頭をまさぐるように撫でていた。

「ある。あるよ、オレの頭・・・・・・・ははっ」 そう零した瞬間に、涙が一筋さらりと落ちていった。

「今回も覚えている。それになにより、2回目になるけれど『死に戻り』に成功しているようだ」

 後何回『死に戻り』ができるのだろうか?もし回数制限みたいなものがあって、死に戻りができなくなったらオレはどうなるんだ?

 この世界での命が費えて、元の世界に戻るなんてのは楽観視しすぎだよな。普通に考えれば、『死に戻り』ができなくなった時、それはすなわち現実世界での死と考えておいた方が良いだろう。だとしたら、身体は?今も図書館の中にあるのか?

 そもそも現実世界に戻る方法はあるのだろうか?魔神王を倒せば戻れるとは誰にも聞いていないし、何よりこの世界ではオレは転生者ではあっても勇者ではなさそうだし・・・・・・くそっ、情報が少なすぎて簡単に行き止まりだ。

 とにかく、”もう死ねない”ということを前提にしながら、今はこのパーティーで魔神王を倒す方法を考えるのがベストだろ。となると、時間がどれだけあるか分からないけれどまずはアイツに話を聞いてみるしかないな。

「よし、インデックスお馴染みのステータス、装備チェックといこうか」

『ツバサよ、承知した。ツバサ……汝のレベルは現在『Lv185/300』。
ジョブは『ソリッドアーチャー(熟練度MAX)』
装備は
頭:吟遊詩人の帽子
銅:根無し草のマント
靴:宵闇の影
武器:世界樹の弓-閃光の矢(無限)

各属性耐性値は装備やスキル補正込みで炎属性プラス70%、水属性プラス55%、木属性プラス85%(最高値)、雷属性プラス5%、地属性マイナス10%。
光属性プラス47%、闇属性プラス63%となっておる』

 うん。今回もオレの設定に関して特に変わりはなさそうだ。まずは、装備から見直しますか。

「インデックス、『根無し草のマント』を『厄災の鎧』に変更してくれ」
 
 まずはイスカの幽門でのダメージ対策は欠かせない。

『承知した。では
胴『根無し草のマント』→『厄災の鎧』
に変更をする。

これにより闇属性耐性値は63%から78%へと15ポイント上昇、代わりに魔法防御力マイナス250ポイント、物理防御力プラス57ポイントになっておる』

「ああ、サンキューだぜ。インデックスさん」

 相変わらずのごつい鎧。髑髏があしらわれていたり、暗色を基調にしているあたり、あたかも呪いの武具に見える。これが厄災を払う鎧だと言うのだから、剛を剛で制すというか、こういうのを郷に入っては郷に従え精神と言うのだろうか・・・・・・違うか。

 さてと、じゃあ腹を割って話そうじゃあないか。オレはゆっくりと歩き出す、パーティーメンバー達はそれぞれに装備やスキルの確認をしているのだろうか、まだ集まってはいなかった。

 5人が間隔をあける間を抜けて、幽門の扉に最も近い場所にいた人物にオレは話しかける。その人物は、近づいてきたオレを見て優しく豪快に笑顔を見せた。

「こんな時になんだけど、ちょっと良いかな?

・・・・・・アレックス」
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