あかいろのしずく
賭けを、しました。
僕は純の返事を待っていました。


間もなく、純がこちらに振り向いて口を開きます。




「うれしい」




幸せに満ちた笑顔でした。
涙の滲んだ瞳は、しっかりと動揺する僕を映していました。


その時、階段の方から足音がして、純の肩がピクリと動きます。
それはだんだん近づいてきていました。

嫌な予感を感じて、僕はもうここで切ろうと思いました。



「それじゃあまた今度」



僕はそう言って背中を押そうとしました。
でも、「待って」という純の小さな声でそれは止まります。



「あのね、今度はわたしがメールしてあげる」

「え......?」
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