あかいろのしずく
【こんにちは、先生!
突然だけど、
今日の朝十時に「la goutte rouge」という店に来てほしいです!
話したいことがあるの】
ラ・グット・ルージュ。
それは小さなカフェでした。
ドアの取っ手を掴んで引いて、そのままの勢いでカフェに飛びこみます。カランカランと大きな音を立てて、頭上でドアベルが揺れます。
純。
店内を見渡しても純はいません。いるのは女性の店員が一人。テーブルをふきんで拭いています。
僕はそちらに駆けよります。
「あの。女の子を見ませんでしたか?」
「さあ。お急ぎのようですけど何か?」
「待ち合わせを、ここで......」
十時になったばかりだから仕方ないでしょう。すぐ来るとは限らない。
そうは思っても、やはり落ち着かないのです。
事故にでもあっていたらと思うと......。