あかいろのしずく
それからしばらくの間、私は泣き続けた。ひたすら歌でも歌うみたいに、後悔やら文句を言い続けて。
それでも男性が私のそばから離れることはなく、彼はただ、黙って私の言葉を拾ってくれた。
そんなこともあり気づくと、カウンセリングを始めて二時間が経っていた。
なんだかんだで時間が過ぎるのは早いものだ。この後も彼が何人かと、カウンセリングをするということを忘れるほどに。
その頃にはすっかり男性とも打ち解けて、話は雑談へと切り替わっていたのだけれど。
「趣味?」