あかいろのしずく
「自殺した生徒だ」
黒のジャンパーにグレーのスウェット。ズボンは濃い目の色のジーンズ。首からは丸いシルバーのペンダントをさげた彼――――先ほど私に会釈してくれた男の人――――は、私の目を見て言い放った。
頭の中に流れてきたのは、ある人の声。
『良い方もなにもない。みんながみんな、同じぐらい傷ついてるんです』
............先生?
そこでようやく、私は昨日のことを思い出した。そうだ、昨日カウンセリングを受けて、そのあと先生を玄関で見送って。家を出て行って、それから。
「歌......?」
「思い出したか?」
思い出した。