あかいろのしずく

「ナナカちゃんは同じ学年なのよね?」


私は頷いた。
それに加え、あの女の子とは一年生の時は同じクラスだった。けど、



「......あんまり、縁がなかったというか」



苦笑いして答える。


近寄りがたいとか、別にそういう理由で話さなかったんじゃない。何回か話したこともあったし、明るくて、優しい女の子という印象があった。


でも、一年生の終わりぐらいになった頃だったか、誰も彼女に近づこうとしなくなって。


......。



あの頃の私はそういうものに疎かったから、その原因を知るのはそれからもう少し後の話だったのだけれど。
< 213 / 754 >

この作品をシェア

pagetop