あかいろのしずく

ショウトの言っていた通り、罰を受けて食料が尽きればそれこそおしまいだということだ。そうなれば最悪、私達は......。



「待ってるのは危険なんです。とにかく、どうにかして早くここから......」

「ちょっと待った」



私の話を遮ったのは、アズマだった。


はっ、そういえば、さっきから私一人でなにベラベラと喋ってるんだろう!
三人の間に入ったのはいいが、肝心の彼のことをすっかり忘れていた。



「すげえ知識量だよ」



アズマにそう言われて、ますます恥ずかしくなる。

先輩や後輩に自慢や自分語りと同じ分類のことをしていたのだと思うと、もうなんと言ったらいいのか。
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