あかいろのしずく

部屋に残された私と、サキ。

しん、と静かな部屋の中に、流れ続けるサキの独り言。ガタガタと震えながら、床の一点をじっと見つめながら、サキはまだ部屋の隅から動かないでいた。


何を言っているんだろう?


少し近づいて、アズマが座っていたように壁にもたれて座る。



すると聞こえてきたのは、



「うちのせいで。うちのせい。う、ちの、あああ、あ、あ......」




なんのことなのかははっきりとは分からないけど、そこまで自分に責任を感じなくてもいいんじゃないかな、って。

それを聞いた時私が思ったことは、そんなことだった。
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