あかいろのしずく
そして、



「オレのエゴです。背高い男って嫌いなんですよね。ちょっとあれは言い過ぎたかもですけど」



後悔しているのかな、とぼんやりと思った。
ショウトは続ける。



「オレ賢くないんで。それにどうせこの状況じゃ一年生は用なしでしょう」

「そんなことは......!」



思わず声を上げてしまう私。
その口は、ショウトが「静かに」と言って伸ばした人差し指で簡単に閉じられる。


そんなことはないと言いたかった。だってここにいるということは、いつかくる脱出の時に同じように隣を走っていないといけないということ。


用なしなんかじゃない。だって、ショウトは......。
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