あかいろのしずく
俯いて声を出せないでいた。何を言っていいのか分からず、流れる沈黙が心臓を削るようで胸が痛んだ。



「ごめん」



やっとの思いで絞り出した言葉が震えた。それ以上は何も言えなかった。そんな私にショウトは。



「もう日も変わってますよ。早く寝ないと起きられないです」




寝ましょ、と簡単に言って寝転んで見せた。
私は同じようにその隣に横になる。ショウトの背中は私より小さいけれど、とても強そうに見える。



怖いよ、とても。また同じ夢を見そうで怖い。
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