あかいろのしずく
チャンス? 出られる?
言葉を頭の中で反芻しても、あまりに衝撃的で、理解が追い付かなかった。



「オレが全く自殺の事件に関係ないことを、センセーは知ったんです。昨日の夜、呼び出されて......。
四日後、オレだけ解放されることが決まりました」



息を、呑む。

そんなことがあるのだろうか。
ショウトはもう用なしということ?

でも、何にしろ、外に出られるのなら、電話もできる。助けも呼べる。そうだ、チャンスじゃないか。いや、もう確実に、私達はここから出られるのだ。



そう思っていた私だったが、現実はそう甘くはなかった。それどころか――。




ショウトは自分が解放されると言っても一かけらの笑みも見せなかった。それはきっと、このことを指していたのだと思う。




「解放された後、ここで起きていることを誰にも言ってはいけない。どこにいても監視からは逃げられない。言えばここにいる全員を殺す、条件付きで」




悪魔の、取引だった。
< 354 / 754 >

この作品をシェア

pagetop