あかいろのしずく
部屋に戻ると、サユリさんが起きていた。
ドアが開くなり、目が合う。
黙って立っていると、「こっちにおいで」と声をかけられた。
ショウトが右隣に寝ていたので、私は左側に座る。すっかり眠気も覚めてしまったので、私は気まずくならないように話を振ってみた。
「サユリさん、どうしてジャージなんですか」
実は少し気になっていた。
学校が休校になって一週間、部活はなかったはずだ。ちなみにジャージは見たことがあった。陸上部のものだ。
「私が軽症っていうのは知っているよね?」