あかいろのしずく
「サキちゃんは? どうやって逃げるの」




私が尋ねると、アズマは「自力で逃げられるよ」と答えた。


いや、嘘でしょ。いつも部屋の隅にいるし、誰かの手を借りないといけないんじゃないの。



そう思いサキの方を向こうとすると、ちょうど私の真後ろを人が通過していった。
......ん!? サキ!?


私もショウトもサユリさんも、唖然としてサキが部屋を出て行くのを見ていた。え、いやいやいや!



「どういうこと!?」

「声抑えろ。話しかけてたら回復したっぽい」



いつの間に。
というかそんな奇跡ある!?


アズマはサキがしっかりと目の前で話したと言った。
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