あかいろのしずく

ホントにいつの間に......というか、私達の前でも話してくれてもいいのに。
それを言うと、アズマははあ、と呆れたように息を吐いた。



「差別意識だよ」

「えっ」

「サキじゃなくてお前ら。サユリとショウトな」




二人は驚いた。差別、ってわざわざそんな辛辣な物言いしなくても。
と、感じながらも思い当たる節はあるわけで。



「なるべく関わらないようにしてただろ。バレバレなんだよ。本人も気づいてる」



サユリさんもショウトも黙って聞いていた。何も言えないでいた。そんな中で
私はひとり、あれ、と疑問に思う。



「私は?」



全く差別などはしていないつもりだったが。
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