あかいろのしずく
隣に来いって指定もあるし。



アズマが一人を好んでいると思っていた私は、目が合ってぎょっとして首を横に振る。いや、優しいんだけどね。時々寄るな、ってオーラが凄いんだよね。


それに、



「人にはそれぞれ他人には踏み入られたくない個人のパーソナルスペースというものがあって」

「黙って来い」



命令形。



気が進まないままそちらににじって近づく。


サキがアズマの右隣の角にいたので、私は左隣。


人一人分空けてアズマの隣に座ると、身長差が露になり泣きたくなった。正確には座高だがどっちにしろ私が低い。



ま、まあいいや、ショウトには勝ってるんだし。
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