あかいろのしずく
どきどきしているんだ、心臓が。
あ、たぶん急に名前を呼ばれたからなんだけどね。
私は聞き間違いだったら嫌なので、「はい」と遠慮がちに小さな声で答えた。
そうして何も返って来なかったので、ああやっぱり聞き間違いか、と無意識に止めていた息を吐きだす。その時だった。
「こっち来い」
なんですと!?
遅れて返ってきた言葉に驚き、私は起き上がって確かめてみた。
それからいつもの体勢でいつもの場所で座っているアズマが、まだ目を開いたまま起きていたことに気づいた。
その瞳は明かりの光を受けて、優しい橙色に染まっていた。
他の三人には聞かれたくない事なんだろうか? なんだろう。
あ、たぶん急に名前を呼ばれたからなんだけどね。
私は聞き間違いだったら嫌なので、「はい」と遠慮がちに小さな声で答えた。
そうして何も返って来なかったので、ああやっぱり聞き間違いか、と無意識に止めていた息を吐きだす。その時だった。
「こっち来い」
なんですと!?
遅れて返ってきた言葉に驚き、私は起き上がって確かめてみた。
それからいつもの体勢でいつもの場所で座っているアズマが、まだ目を開いたまま起きていたことに気づいた。
その瞳は明かりの光を受けて、優しい橙色に染まっていた。
他の三人には聞かれたくない事なんだろうか? なんだろう。